講習会レポート

2022年11月7日
設備管理講習会(座学)

2022年11月7日(月)、愛知県環境調査センターにて、43名の参加者を得て設備管理講習会(施設見学会)を開催しました。
設備管理委員会 首藤 健委員長の開会挨拶に続き、愛知県環境調査センター 福永泰生所長より、ご挨拶と施設の概要についてご説明いただきました。

設備管理講習会(施設見学会)

愛知県環境調査センターは、愛知県の環境行政を科学的・技術的に支える調査・研究機関として1970年に設置され、1972年に現在の北区に移転しました。老朽化や耐震性の不足により建て替える際、「愛知県の環境行政・衛生行政における拠点施設」「環境首都あいちにふさわしい全国モデルとなる新エネ・省エネ施設」「県民に親しみを持ってもらえる施設」の3つの基本方針を基に大成建設(株)により施工されました。
実際に施工を担当された大成建設(株) 岩村卓嗣設計室長から施設の詳細をご説明いただき、2グループに分かれて施設内を見学しました。
この施設は、2018年10月に建築物省エネルギー性能表示制度において、建物の設計段階のエネルギー消費量を85%削減し、最高ランクのファイブスターと公共施設で全国トップクラスとなるZEB(Nearly ZEB)を取得しています。これは研究施設としては全国初であり、2020年度は99%、2021年度には98%の実績があり、省エネ率75%以上100%未満のNearly ZEBとしてはトップクラスを誇ります。様々な新エネ・省エネ技術が導入されており、空気調和設備として2温水回収ジェネリンクを日本で早期に採用し、井水が豊富な地域であることを生かした積極的な井水利用、旧棟の地下躯体を利用したクールピットなど効率のいい熱源システムを活用するとともに、施設全面に敷設した太陽光パネルにより発電量を確保し、また南外壁面の一部にはシースルー型太陽光発電パネルが採用され、採光や眺望、デザイン性も考慮されています。
また、人の在席状況を人の動作で感知する人感センサではなく熱で探知する次世代人探知センサや、反射光や反射鏡を使用した光を室内の奥まで伝達する設備など、今後大きく普及していくことが期待される設備もご紹介いただきました。 施工後も、エネルギーサポートセンターが建物内のエネルギー使用状況を常にチェック・解析するとともに、分析したエネルギーレポートを活用してZEB推進会議が開催され最適な運転制御を実施するなど、徹底したビル・エネルギー管理システムが導入されています。
なお、新エネ・省エネに関する技術は、誰でも自由に見学できる「あいち環境学習プラザ」にも展示され、子どもたちにも学びやすい空間となっています。

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